杉並ライフハック

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ふるさと納税

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今回はふるさと納税について少し書いていきたいと思います。

 

前回の記事でふるさと納税をしてAmazonギフト券をもらった話を書いた時、ふるさと納税で金券を返礼品にするのは脱法だという旨のことを書きましたが、その辺りを少し掘り下げてみたいと思います。

 

 

まずディスクレーマーですが、私はふるさと納税の専門家ではなく、あくまでもイチ消費者なので、可能な限り正確な情報に基づいて書いているつもりですが、事実誤認や不正確な情報を含んでいる可能性がある点はご了承下さい。

 

そもそもですが、ふるさと納税は厳密には納税ではなく寄附+税額控除です。これは納税者からすると、自治体に寄附をした金額分だけ所得税と住民税が減少し、実質的に納税者が納税する自治体を選べる制度なのです(自己負担2,000円があります)。

もちろん、所得税と住民税の全額を自分の好きな自治体に寄附できる訳でははく、ざっくりいうと住民税の20%が自己負担2,000円で寄附ができる上限です。

以前はこの上限が10%だったのですが、制度普及を目的として20%に引き上げられました。

 

このように納税者が納税する自治体を選べる制度として始まったふるさと納税ですが、自己負担2,000円があるため、納税者にはメリットがありません。

そのため、これを補填するために寄附を受けた自治体が、寄附をした人に返礼品を渡すということが、制度ができた当初から行われていました。ただ、当初は現在ほど豪華な返礼品はなく、本当に2,0000円分程度の返礼品という自治体も多くあったように記憶しています。

 

その後、ふるさと納税が本来の趣旨から外れ、返礼品競争の末、現在のように高額納税者のための税金回収制度となるのに時間はかかりませんでした。

少し考えれば当たり前のことで、ふるさとの納税の本質は「自治体間の税金獲得競争」なので、他の自治体に寄附金を取られるくらいであれば、他の自治体よりも寄附金に対する返礼品の価格(以下、返礼割合)を上げて寄附金獲得に走る方が合理的です(それ以外の戦略はない前提です)。

ふるさと納税関連事務にかかるコストをゼロとした場合、寄附金-返礼品仕入価格が0よりも大きいのであれば、返礼割合を高めることが自治体として最適な戦略であり、10,000円の寄附金獲得に9,999円の返礼品を出しても、他の自治体に寄附されるよりはマシという状況になり得るのです。

これほど極端な状況にはなっていないですが、上で書いたことが現実に起こり、現在に至ります。

 

ただし、総務省も指を加えてただ見ているだけではなく、総務省自治体に対し高額商品や換金性の高い金券等をふるさと納税の返礼品としないよう、過去に何度か通知してきました。

例えば、昨年2017/4に総務省が出したふるさと納税に関する通知(下に貼ったリンクの別添1)を見ると、①金銭類似性の高いもの、②資産性の高いもの、③価格が高額のもの、④寄附額に対する返礼品の調達価格の割合(返礼品割合)は3割までと明記されています。

 

この通知以降、確かにパソコン、iPad、金券等の返礼品はなくなったものの、還元率が4割を超える返礼品を出す自治体はなくなりませんでした。

それもそのはずで、総務省の通知に法的な拘束力はないらしく、罰則がないのであればルールを守らない方が合理的です。

流石に自治体も名指しされた商品は返礼品から外しましたが、返礼割合なんていくらでも計算で誤魔化せるので無視です。

結局、総務省の通知を守らない自治体が1つでもあるとそこに寄附が集まるため、他の多くの自治体も総務省の通知を破ります。

ゲーム理論でいう囚人のジレンマの状況になっているため、総務省がルールを破った自治体に罰則を科す等の措置を取らない限りは抜本的には改善しません。

 

最近、総務省も本格的に改善に取り組もうとしているのか、返礼割合が3割を超える自治体を名指しで公表することを始めています。

 


おそらく、現在のふるさと納税バブルは長くは続かないだろうと私は考えています。

過去、総務省が何度か自治体に対して行ってきた通知と異なり、今回は自治体名を公表する等、総務省の本気度を感じます。おそらく抜本的な改革に向けて舵を切ったのでしょう。

それでもなお総務省を無視し続ける自治体が残る可能性もありますが、法律を作って自治体を縛ることも総務省にはできるので、総務省が本気になれば必ず総務省に軍配が上がります。

 

さて、ここまでつらつらと書いてきましたが、結局納税者たる我々はどうすればよいのでしょうか。

結論は一つです。返礼割合が3割を超えるお得な返礼品があるうちにさっさと貰って税金を回収しましょう!

ちなみに、返礼割合が3割を超えている返礼品がある自治体は上の記事でも書かれているので、ご参考にどうぞ。

 

おわり